記録 2017.05.14.ぐったり。

☆GWくらいからgdgd書いていたんだけどバラバラだけどUP。
何かいろいろ書き忘れているような気もするけど(-    -;)・・・
・・・

*ひきこもってごそごそしてはいるんだけど、
ぼんやり、薄っすら気持ち悪い感じがずーっと取れず、
寝たり起きたりだなあ。別に「ダメだダメだ」とは思わないけど、すっきりしない。
わくわくできない。
何か読んでいる時、録画観ている時は「おおっ」「☆」ってひとりでやってるけど。
30分視聴しては「ぐったり」しておふとん。みたいな。

*マジで「自分がない」気持ち悪さ
そんなことに無自覚なまま、何十年も生きて来てしまったという空恐ろしさ、
じゃああれは。あの言葉は。あの時の感想は、誰のものだ。誰が言わせたものだ?
時々ね、今でも、「ぞわぞわ」っと地の底から湧き上がって来て「ぶるぶる」してしまう。
とらわれる。
申し訳なさとか。恥ずかしさとか。
それを全部叩き潰して「痛み」でかき消してしまいたい感じとか。

*普段小難しいことをごちゃごちゃ書いたり画いたり貼りっ散らかしてるけど
本体の本心のご本尊はとても日のもとには出せない、
真っ黒の、「生き物だったもの」の残骸の散らばるどうしょうもない世界。
言葉の端々に。
しぐさのひとつひとつに。
隠しても表現しなかったつもりでも
しっかり漏れていて、
感じ取れる人には感じ取れるのかもしれない?という恐怖心・・・とか。

*一生、隠すから。隠せるように努力するから。
普通の人々から学んで、どうにかしてでも「みんなと生きられるように」頑張るから。
許してよ。いい子にするから。望むようになるから。必要とされるようになるから。
そもそも「間違った」努力。
普通の人生と比して「場外乱闘」な苦闘。
初めっから「そんな」で、みんなのいい笑いものにしかならない。
くだらない。滑稽。「ごめん、ちょっとよく分からない」
冷笑と好奇の視線が「刺さって」、ばらばらになりそうな。
ばらばらになって、永遠に止まってくれれば楽になれるのに。
そうはならない。まだまだ、なってくれそうもない。

*子どもを3人も育てていて、通勤も困難なのに、仕事されていて、私とそうは変わらない年齢だと思うのに、本当にすごいなあと思うんです。
周り中から子供の教育上よくないとかなんとか理由をつけられて
別居になっていて、仕事に行けなくなり、生活保護に頼っていても、全然おかしくないのに。
私はとてもじゃないけど誰かと生活するのも不可能に近くて、
「自分で自分を食べさす」ので精一杯だけど。それで満足しちゃってるけど。
精神的に、本当に、ギリギリで。休まらない。本当に勤め人としても親としてももっと休みたいのでは。休む必要があるのでは。と素人目にも映る。
で、こんなにたくさんの人に支えられていて。イイネ30-40ってどういう世界なんだろ。2chで時々見るいい話のようだ。
カンパ頼む!とでも書いて口座を書けば、数万円は簡単に集まりそうだ、と思うんだけど、
そんなの続きませんし、自ら立つ、立とうとする力を削ぎ、回復を遅らせるだけですね。
ゆるいゆるいつながりだからこそ「よい」「続く」ものもあるのですね。

別に要求するわけではないんだけど、「プラス」ももっと読んでみたいような。
そんなに症状を出すくらい、やさしくて、我慢強くて、普通感じないものまでを感じ取る、おそらくいろいろの能力もとても高い、人の。
キャッチする世界の「プラス」のカケラってどんなだろうか。
「マイナス」の色やにおいや度合いが強すぎて、目をこらしても視えなくなっちゃってます。
であるとしても、かすかに、一瞬一瞬積もっている筈の
「嬉しい」や「心地よい」や「きれい!」「すごーい!」や、
「ありがとう」「ありがたい」
安心、やさしい、かわいい、愛しい・・・
今日の夕焼け空は、朝の空気は、ふと耳にした音楽、詩は。誰かの微笑は。
想いのこめられた「すてき」なものや行為は。
じゃなきゃ宝123 とか 女王なんて言えませんよね☆

てか特に月曜日や休み明けなど、山手線の駅ホームを階段の降り口から見た瞬間など、別にそういう症状を持ってなくても「うわぁ(汗)」で、何もかもがイヤになりますよ。「人がごみのようだ」みたいな。(-    -)
あ~ヤダヤダ。w

*よりぬけ銀魂さんにはまだ追いついていないけど、「希望」まで観切れたよ、新プリキュアも追いついたよ。(・・・)こども朧かーわいかったー土佐弁じゃないこども陸奥も超かわいい。
しかし12回でまとまっちゃったんだねえ。ジャンプも単行本も随分長い間、複数の物語ライン(三凶星x桂・さかむつ+喜喜・銀時、夜兎家族、阿伏兎x神威、朧の過去編・・・)をやっていたような感じだったけど。
最終章も何か月もかかっても、アニメになったらさっさと終わってしまうんでしょうか。
まあ実写版もあるし・・・
空知先生は銀魂の後はまた連載持ってくれるんでしょうかね。
週刊ジャンプでなくっても、
月刊誌や季刊誌でゆっる〜〜〜イイ話エッセイ漫画・4コマでもいいから登場してほしいような気もする・・・

*よりぬけ銀魂さんのOPいいね!
Day By Dayもそうだったけどやっぱり桜と青空がよく似合う。
「泣いて笑った思い出たちが今も今も」
「ここにいる」
の銀さんの眼が死んでないよ!珍しくコマ送りでガン見してしまった!!
紅桜の「宇宙一バカな侍だーーー」
完結編のラストのスマイル(眼鏡だけとんでったアァーーー新八の直前)
とか好きなんだけど、これはびっくりした。
それくらい銀さんって目が死んでてダルそう+gdgdな長セリフ。滅多に笑わない。主人公なのに。なのがステレオタイプなんだなあ。
高杉に手を振るまた子も良い!!
ラストの「夢を描いて走れ」のところの銀さんは第1巻の表紙のポーズといっしょだね。停めて確認するの大変なくらい一瞬だけど。

平賀源外改心話は、やっぱ高杉のシーンばっかり繰り返し観てしまった。
「クスクス」「ヒヒヒ」「フフフ」「アハハ」どれでもない、この笑い方。子安さんはだいたい毎年プリキュアに出て来るんだけど、何でしょうね、高杉の演技の別人のようなこの色気。先生への妄執から「おかしくなっちゃった」人感がたまらないんですね、銀時との対比で。(また「仇」回観なおしたくなったなあ)
太宰治の『トカトントン』をいつも想い出すんですね。
ある人はこの「トカトントン」(復興の槌の音・・・工事や建築の現場の)と同種の音(言葉、セリフ)として「なーんちゃって」とか「デンデケデケデケ」「パンパカパーン」を挙げていた。(これも銀魂世界のキーですね「ラーメンこぼして捨てた」等)
戦争後、いろいろのものを失くし、急激な世の中の変化についていかれず、戦場での心的外傷も手伝って、「おかしくなっちゃった」人がそこここに居た時代の「背景音」。

高杉晋助名言集見つけたよ。動画まとめも探せばある筈!!けど探してない(-    -;)
★けしかける?バカをいうな、立派な牙が見えたんで研いでやっただけの話よ。俺の中で黒い獣がのたうち回ってるもんでなァ・・・
★獣でけっこう、俺は護るものなんざないし必要も無い。全て壊すだけさ、獣の呻きが止むまでな・・・
★鳶が鷹を生むとは聞いたことがあるが、鷹が龍を生んだか。
★二度と俺達を同志なんて呼び方するんじゃねェ、そんな甘っちょろいモンじゃねーんだよ、俺達は。次言ったらブッた斬るぜ。
★オイ、そんな小せーもん壊して満足か?どうせ壊すなら、一緒に世界をブっ壊しに行かねーか?
★仲間ねェ・・・まだそう思ってくれていたとは、ありがた迷惑な話だ。
★刀は斬る、刀匠は打つ。侍は・・・なんだろうな?
まァなんにせよ、一つの目的の為に存在するモノは強くしなやかで美しいんだそうだ。剣のように。
★俺も目の前の一本の道しか見えちゃいねェ。あぜ道に仲間が転がろうが、誰が転がろうが、かまやしねェ。
★自分以外の人間は皆バカだと思ってるクチだろう。だが、そんなバカな連中に理解されぬのを不満に思っている。理解されたいと思っている。自分を見てもらいたいと思っている。己が器を知らしめたい?そんな大層なモンじゃあるまいよ。お前はただ一人だっただけだろう?

◆◆◆新聞からおすそわけ4つほど。(-    -)長エ
中央銀行の長い戦後処理 上級論説委員 藤井彰夫
ゴールデンウイーク明けの5月8日、東京都内のホテルに、世界の中央銀行幹部が集結した。
黒田東彦日本銀行総裁をはじめ、米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)、中国人民銀行からも総裁・理事級が参加する国際決済銀行(BIS)の会合。通常は本部のあるスイス・バーゼルで開くが、今回は東京で特別に開催した。
多くの出席者は、8日未明に結果が伝わった仏大統領選でのマクロン氏当選にホッと胸をなでおろした。昨年の英国の欧州連合(EU)離脱の国民投票に始まったポピュリズム(大衆迎合主義)旋風に歯止めがかかるかもしれないとの期待からだ。ただ、それだけでセントラルバンカーの悩みが消えるはずはない。
世界金融危機の引き金になった2007年夏の米サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題の表面化からもう10年になる。世界の風景を変えた危機は、4つの段階で深まっていった。
▼第1段階・金融危機 サブプライム問題に始まった金融危機はわずか1年で、リーマン・ブラザーズなど大手金融機関を破綻に追い込み、世界の市場をまひさせた。
▼第2段階・経済危機 カネのめぐりに急ブレーキがかかり、金融危機は世界同時不況をもたらした。日米欧と新興国は首脳会議を開き、金融システム安定策、景気対策で国際協調を進めた。
▼第3段階・財政危機 バブル崩壊に伴う税収減と景気対策の結果、多くの国で財政赤字が膨らんだ。ギリシャなどユーロ圏債務危機米国債格下げなど金融危機のツケは政府部門にまわった。
▼第4段階・政治危機 税金による銀行救済、長引く景気低迷と格差拡大に不満を持つ市民は、既存政治に反旗を翻した。英国のEU離脱、トランプ米大統領誕生を支えたポピュリズム、反グローバル主義のうねりは、政治の危機をもたらした。
政治が機能不全に陥るなかで、中央銀行は孤独な戦いを強いられた。おきて破りとみられた国債社債などの資産購入やマイナス金利といった奇策も繰り出した。ようやく出口が見えても、その先には膨大な戦後処理が残る。
まずは大きく膨らんだ資産の圧縮だ。FRBは年内に先陣を切って資産縮小を始める見通しだ。ECBも来年には量的緩和の縮小に動くとの観測がある。最後尾の日銀は、2%の物価目標達成は遠く、資産圧縮のめどは立たない。
「利上げのジンクス」。みずほ総合研究所チーフエコノミストの高田創氏によると、1970年代以降の日米欧の引き締め局面では、利上げは米欧が先行し日本がいつも最後。その翌年には世界経済が減速し、米国が利下げに向かうので日本も利上げできなくなった。過去に5回これを繰り返したが「今回は日本が1回も利上げできず、ジンクスがあてはまらないかもしれない」と高田氏はみる。
中央銀行の戦後処理は日米欧でかなりの時間差がつく。その帰結はどうなるのか。
金融危機後の金融政策は、ざっくり言えば市場機能を殺すことにあった。国債購入で従来は制御不能とされていた長期金利も低く抑えつけた。日銀は株式・不動産市場にまで管理の手を伸ばした。
米国から始まる戦後処理は、マネーを中央銀行から市場の手に返すいわば「大政奉還」だ。市場に戻ったマネーは時として大きく変動する。中銀による官製相場に慣れきった人々には衝撃だろう。
米国の利上げで米長期金利が急上昇した場合、日本の長期金利にも上昇圧力がかかる可能性がある。10年物国債利回りをゼロ近辺に固定している日銀は、上昇圧力を抑えるために国債を必死に買い支えなければならなくなる。
日銀が何とか超低金利を維持すると日米金利差は拡大する。そこで円安・ドル高が進めば、トランプ政権は「金融政策による通貨安誘導だ」と批判するかもしれない。
官製相場から脱する金融政策の戦後処理は長い道のりだ。その過程は、中央銀行と政府と市場が入り乱れた新たな混乱の物語の始まりかもしれない。

◆内戦の終結、和平後の将来像示せ コロンビア副外相 パチ・ロンドニョ
コロンビアは政府と左翼ゲリラの内戦が半世紀余り続いてきたが、近年は平和に向けた動きが急進展している。昨年のコロンビア革命軍(FARC)との停戦合意に続き、国内第2のゲリラ組織、民族解放軍(ELN)との和平交渉も始まった。紛争は終結が近づき、我々は新しい歴史を歩み出そうとしている。
中東やアフリカの多くの国で国内を二分する内戦が起きており、コロンビアの経験から学びたいという声は多い。価値観が異なり、憎み合っている勢力との交渉は難しく、時間がかかることは確かだ。しかし、だからといって何もしないままでは、事態は改善しない。和平交渉にはそれだけの価値があるということを世界中に伝えたい。
和平の実現には、長い時間をかけて信頼関係を醸成することはもちろん、和平後の将来像を示すことが大切だ。麻薬産業を撲滅するためにコカインの原料となるコカの生産を止めさせるだけでなく、彼らが生活するための経済活動を提供することが重要だった。FARCとの交渉では、土地の所有権の帰属や武装解除後の政治参加、特別法廷のあり方だけでなく、将来の農村開発のあり方なども十分に時間をかけて話し合った。
もちろん和平の進展はコロンビア政府と左翼ゲリラの間だけでなし遂げたものではなく、国際社会の支援があってこそだ。ゲリラ組織との交渉は第三国で行われ、周辺国を含む多くの国が協力してくれた。6月までに完了を予定するFARC武装解除は、国連の監視下で行われている。日本政府には地雷撤去や地方振興策について専門的知見を提供してもらった。非常に感謝している。
振り返ると、ここに至るまでの道のりは決して平たんなものではなく、ローラーコースターのようだった。2012年に始まったFARCとの和平交渉は昨年9月にようやく合意に至ったが、同10月の国民投票で一度否決された。サントス大統領のノーベル平和賞受賞を経て、修正された和平案が議会を通過したのは同11月のことだ。
ウリベ前大統領を含め、国内にも和平合意に反対する人たちがいることは事実だ。我々は民主主義国家であり、反対派の意見も尊重する。政府は反対派の提案を真摯に受け止め、当初案に修正を加えた。和平の最終合意案は国民を代表する議会で承認されており、国民の総意として和平を次の段階に進めたい。

***コロンビア革命軍(コロンビアかくめいぐん、西:Fuerzas Armadas Revolucionarias de Colombia)は、コロンビアの反政府左翼ゲリラである。スペイン語の正式名称から通称はFARC中南米最大の反政府武装組織であり、活動地域はコロンビア国内のみならず、ベネズエラパナマ、ペルー、ブラジル、エクアドルなどの周辺国へも広がっている。農民主体のゲリラであるにもかかわらず、幹部にはインテリも含まれ、組織のホームページを運用(現在は閉鎖中)し情報収集活動も行っている。
*19世紀の中頃、コロンビアでは自由党と保守党による議会政治が行われてきた。しかし、それは民主政治とはかけ離れたものであり、大地主、教会、資本家といったブルジョワ層を支持する政治組織以外は排除されていたため、農民をはじめとしたコロンビア一般市民は非常に貧しい生活を強いられてきた。
1959年にキューバ革命が起きると、コロンビアでもその影響を大きく受けた組織が次々と旗揚げした。FARCもその1つであり、1964年5月27日に結成された。自由党系の武装農民運動から出発し、1966年、伝説的な指導者マヌエル・マルランダが最高司令官に就任。コロンビアの寡頭制の打倒、農地改革、富の再分配を掲げ、マルクス・レーニン主義社会主義革命政権樹立を目的とした。
*1980年代初頭までは勢力1,000人規模だったが、80年代半ばより麻薬密売組織と協力関係を結び、コカイン原料のコカ栽培地やコカイン精製工場、コカイン密輸ルートを保護することで多額の軍資金を獲得。政府軍より高性能の兵器を備えることで急速に勢力を拡大させた。その規模は1995年にコロンビア政府が麻薬組織を壊滅させてからFARCがコカイン取引に直接関与することで急成長し、95年当時6,000人規模だったのが2000年代には3倍の18,000人に膨れ上がった。一時はコロンビアの3分の1を実効支配下に置き、支配地域でのコカ栽培への課税、住民からの徴税、要人誘拐による身代金やコカイン取引で毎年推定8億ドルもの活動資金を得ていた。

***民族解放軍(みんぞくかいほうぐん スペイン語: Ejército de Liberación Nacional)は、コロンビア国内に展開する左翼系反政府武装組織。略称ELN
*1965年に設立。マルクス・レーニン主義による親キューバ、反アメリカ路線を標榜し、爆弾テロや誘拐を実行。一時は、約5,000人から6,000人の勢力を有し、コロンビア国内の反政府勢力としてはコロンビア革命軍に次ぐ、2番目の規模に成長したものの、冷戦の終了や2000年代以降の政府軍の巻き返しにより、徐々に勢力は衰退。2010年頃には2,500人程度となった。この頃から政府側は、コロンビア革命軍と進めていた和平交渉と平行して、民族解放軍側へも接触を開始。2013年8月には、サントス大統領自らが和平交渉を開始する用意があると発表。これに対応するように2015年1月、民族解放軍側も政府との正式な和平交渉に臨む用意があるとの声明を発表している。

◆シルバー民主主義を考える(下)選挙制度の大胆改革急げ
まず「世代別選挙区」導入を 岡本章・岡山大学教授
現在の日本では「シルバー民主主義」の弊害が指摘されることが多くなっている。巨額の政府債務を抱えて財政再建が急務であり、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化を当面の目標とするが、その達成は遠のくばかりだ。年金、医療などの社会保障給付が拡大する半面、少数派の若年層の意見が政治に反映されにくくなっている。
また少子高齢化・人口減少が急速に進展する中で、少子化対策を拡充する必要性が認識されているにもかかわらず、日本の家族政策に対する公的支出は国際的にみて低水準のままだ。さらに高齢層の政治への影響力の増大は、世代間の不公平につながり、若者の政治的無関心を引き起こしている可能性がある。
政策決定にあたっては、今生きている現在世代のみならず、子どもの世代、さらには今後生まれてくる将来世代への影響も考慮する必要がある。
こうした問題を分析するため、筆者は乃村能成・岡山大准教授と共同で「人口内生化世代重複シミュレーションモデル」を構築した。そして政府の育児支援の促進政策と公的年金給付の削減政策が、各世代の生涯効用(人が商品やサービスを消費することで得られる満足度)に与える影響を定量的に分析した。
その結果、政策の変更の影響は世代により大きく異なることが示唆された。これら2つの政策は1970〜75年以降生まれの若い世代や将来世代の効用を改善する半面、それより前に生まれた世代や高齢世代の効用を悪化させる。
本研究では、無限先の将来世代を含むすべての世代の効用を総合的に考慮して、改革案が全体の経済厚生(経済学的な「効率性」を表す)に与える影響を厳密に分析した。
分析の結果、育児支援の促進政策と年金給付の削減政策はともに経済学的に望ましい政策であることが示された。無限先の将来世代の効用まで考慮したうえで経済厚生全体のパイが拡大するため、世代間での適切な資源配分によりすべての世代が改革前と同じか、改革前よりも良い状態に移行できる。
問題は、全体にとって望ましい改革ではあるものの高齢者が損をするため、こうした改革案は政治的に実現されにくいことにある。そこで現行の日本の選挙制度の下でこれらの政策が政治的に実現可能かどうかについて検討した。
育児支援の促進政策は、若い世代や将来世代の効用を改善する半面、高齢世代では税負担が増えるだけで受益がないために効用が悪化する。
シミュレーションの結果、損得は2014年時点の44歳と45歳の間で分かれる。投票にあたって、改革により効用が改善する者は賛成票を、悪化する者は反対票を投じるものとする。現行の日本の選挙制度有権者の各年齢での現実的な投票率の下では、圧倒的な差(20対45)で育児支援の促進政策は否決される(表参照)。公的年金給付の削減政策の政治的な実現可能性についても分析したが、ほぼ同様の結果が得られた。
以上のように現行の選挙制度や現実的な投票率の下では、全体にとって望ましい政策(育児支援の促進・年金給付の抑制)が否決され、シルバー民主主義の弊害が如実に表れる結果となった。その理由として日本での高い高齢者人口比率、若者の低い投票率、および改革により効用が改善する選挙権年齢以下の若い世代と将来世代が投票に参加できないことが挙げられる。
こうした問題を解決するには、子どもや孫世代の利益を尊重する高齢者の良識に期待するだけでなく、制度として若い世代の声を政治に反映させる仕組みを構築する必要がある。ここでは3つの選挙制度の改革案を取り上げる。
まず「ドメイン投票方式」は、米国の人口学者ポール・ドメイン氏が考案したもので、投票権を持たない未成年に投票権を与え、親が子どもの代わりに投票する。
次に「世代別選挙区制度」は、井堀利宏・東大名誉教授と土居丈朗・慶大教授により提唱されたもので、有権者を年齢階層別にグループ分けし選挙区を構成する。例えば30代以下を青年区、40〜50代を中年区、60代以上を老年区とする。各グループから有権者数に比例した定数の議員を選ぶため、青年区の投票率が低くても必ず若年層を代表する議員を議会に送り出せる。
最後に「余命別選挙制度(余命投票方式)」は、竹内幹・一橋大准教授により提唱されたもので、余命に応じて投票権に重みをつけ、若い人の一票を高齢者の一票よりも重くする。例えば20歳の有権者の一票を64票とカウントする一方、80歳の一票を10票とカウントすることが考えられる。
ただし、シルバー民主主義を克服するには、3つの代表的な選挙制度改革案の中から一つを導入するだけでは不十分で、最もドラスチックな改革である余命投票方式とさらにもう一つ別の選挙改革を同時に実施する必要があることが示唆される。
3つの改革案の中で、最も効果が弱いのは世代別選挙区制度だ。日本では既に少子高齢化の水準が深刻な状況にあり、そもそも高齢者と若者の人口比率自体が大変ゆがんだものとなっているからだ。
余命投票方式の効果は大きいが、年齢により一票の価値が異なる。ドメイン投票方式では未成年にも選挙権を与える。劇的な変化を伴うため、導入へのハードルは高い。政治的な実現可能性の点から当面はまず世代別選挙区制度の導入から始めるべきだろう。この制度の導入を契機として現在の危機的な状況についての理解が深まり、子どもや孫世代の利益を尊重する機運が高まることも期待される。
世代別選挙区制度の導入は理念的な話にとどまらない。東京都狛江市の内山恵一氏は民間企業を定年退職した後、市民団体に所属しながら、次世代のため同制度を導入すべく地元の市議会に働きかけている。漠然としたイメージの同制度を憲法上の問題に配慮しつつ、具体的で実用的な改革案に練り上げた。この案は現行憲法の下で実現可能であり、公職選挙法の改正で済むと考えられる。改革の実現は困難を極めているが、この案の存在が広く社会に認識されて、他の自治体にも論議が波及し、早急に改革に着手することを期待している。
シルバー民主主義に伴う低水準の家族政策が子育て環境を悪化させ、さらに少子高齢化・人口減少の流れに拍車をかけることもその弊害として挙げられる。こうした悪循環を断ち切るために、大胆な発想に基づいた選挙制度改革を断行すべき時期に来ている。もはや時間的猶予はない。今すぐに実施しなければ、たとえ実現できても効果は限られたものになる。現在の日本では子どもを産み、親になる可能性のある女性の数自体が急激に減少しているからだ。
選挙制度の改革には大きな痛みを伴うが、長期的な視野の下で全体の経済厚生が高まる経済学的に望ましい改革であることを認識してほしい。ともかく改革を実施するのが大事で、もし改革を実施できれば得られる果実は大きい。
改革により経済成長が促進されるため、たとえ損失を被る高齢者へ損失分の補償をしたとしても、まだ余りある。若者世代にまん延する閉塞感を取り除き、時間軸の長い施策が実行可能となる。そして財政破綻や急激な人口減少を回避することにより、長期的に持続可能な社会を構築し、未来への展望を切り開くことが可能となるだろう。
ポイント
○経済学的に育児支援と年金削減望ましい
○全体利益ある政策も現選挙制度では否決
○余命投票方式は効果大だが導入へ壁高い
おかもと・あきら 64年生まれ。京都大博士(経済学)。専門は公共経済学、人口経済学

◆芸術の先端で 新井卓
都心から東武東上線に揺られて1時間。埼玉県東松山市都幾川を見下ろす岸辺に、原爆の図丸木美術館がある。同館所蔵「原爆の図」は、原爆投下に関する写真が検閲対象だった時代、画家の丸木位里・俊夫妻によって描かれた。当時、丸木夫妻は絵を背負い、全国を行脚して自ら広島の惨状を伝えたという。「原爆の図」は近年、米国、ドイツほか海外でも、その価値が再評価されようとしている。傷みの激しい絵の修復のため、募金活動も始まったばかりだ。
美術館ただ一人の学芸員・岡村幸宣さんに出会ったのは2010年、初めて館を訪れた時のことだった。翌年、震災後の福島で制作した私の作品を見て、すぐに企画展を計画してくれた。彼はこれまで、限られた資金と人員をやりくりしながら、Chim↑Pom(チン↑ポム)や風間サチコ、安藤栄作といった、現在注目される美術家たちの作品を、他館に先んじて紹介してきた。野球少年だったという岡村さんは、物静かな佇(たたず)まいの奥に、底知れない情熱と意志を秘めた人物である。
丸木美術館を訪れるたび、芸術とはそもそも何のためにあったのか、そう問われる気がして自然に背筋が伸びる。表現の先端を拓(ひら)き、時代の精神とわたしたちの日常をつなぐ美術館という場所には、いつも優れた学芸員がいる。(あらい・たかし=写真家)

***Chim↑Pom(チン↑ポム)は、2005年8月、東京で結成されたアーティスト集団。メンバーはエリイ、卯城竜太、林靖高、水野俊紀、岡田将孝、稲岡求の6人編成。
2005年8月、東京で結成される。同年会田誠のサンフランシスコでの個展開催時に会場の一部で作品を展示し、アート界にデビューした。活動は映像作品を織り交ぜたインスタレーションが中心である。動物の生死や都市におけるタブーなど、刺激的なテーマを次々に扱い、賛否両論を巻き起こしている。
2008年には被爆地である広島市の上空に、飛行機雲で「ピカッ」という文字を描いたことが問題となった。
2010年、河出書房新社より初作品集が出版。同年、アジアの最優秀若手作家を決める「Asia Art Award」のファイナリストが発表され、日本代表に選出される。同年、国際美術展サンパウロビエンナーレに参加。
2011年5月には岡本太郎の壁画「明日の神話」へ絵を付け足したことが問題になった。
2012年、映画監督である園子温がこれらの行為に共感を示し、対談をしている。